2014年まで、日本に世界最大のビットコイン取引所が存在しました。
それが「マウントゴックス社」です。
マウントゴックス社のビットコイン取引所は、取引とウォレット(財布)機能を提供。
マウントゴックス社は2013年4月には、
世界のビットコイン取引量の70%を占めるまでに成長していた。
ビットコイン市場において、かなり影響力を持つ取引所となっていたわけです。
そんなマウントゴックス社で、2014年にビットコインの不正流出が発覚します。
マウントゴックス社は、
2014年2月に合計85万ビットコインと28億円を消失したと発表し経営破綻。
「ハッキングを受けて顧客資産ビットコインを消失した」と当初は発表。
後に、
ハッキングによって失われたのは一部分のみで、
大部分は社内システムの不正操作によって消失したという可能性が急浮上、
消失した大部分は元社長のマルク・カルプレス氏が横領していた疑惑が浮上。
(その事実のほどは、2017年7月現在裁判中です)
マルク・カルプレス被告は2015年8月に業務上横領罪等で逮捕、起訴される。
これがマウントゴックス事件の流れです。
マウントゴックス社のビットコイン消失事件では、
同社のビットコイン取引所に「資産を預けていた」たくさんのユーザーがビットコインを紛失しました。
また顧客資産の流出は数年前からはじまっていたとされる。
当時世界一の取引量を誇るビットコイン取引所だったこともあり、
マウントゴックス事件で損失を受けたユーザー数と資金額は莫大で、
世界中の仮想通貨取引所が危機感を抱く事件となりました。
ビットコイン及び仮想通貨(暗号通貨)全体のイメージが悪くなる事件でした。
ビットコインの価格も一時的に暴落し、
当時1BTCが12万円だった価格も1BTCあたり2万円あたりまで暴落しました。
マウントゴックス事件の背景と内容
そもそもマウントゴックス社(株式会社MTGOX)は、
2009年にトレーディングカードの交換所として設立。
2010年にビットコイン事業に転換し、
2011年にマルク・カルプレス氏がマウントゴックスを買収して経営権を得る。
その後、ビットコイン交換所として急成長を遂げた企業でした。
2011年頃のまだビットコイン黎明期とはいえ、
世界の70%のシェア率を誇ったビットコイン取引所はデカいです。
2011年からビットコインの不正流出が続いていたともされている。
以下は、マウントゴックス事件の時系列的な内容です。
- 2011年6月19日、ハッキング行為で損害を出す
- 2013年4月11日から12日午前2時 まで取引一時停止
- 2013年11月、マウントゴックスからの出金に遅延
- 2014年2月7日、全てのビットコイン払い戻し停止
- 2014年2月24日、マウントゴックス社の全取引中止
- 2014年2月28日、マウントゴックス社の破産
- 2015年8月1日、元社長マルク・カルプレス氏の逮捕
- 2015年9月、債権総額約2兆6630億円と発表
- 2017年7月、元社長マルク・カルプレス氏の裁判開始
マウントゴックスで取引されているビットコイン名目価格が1セントに一時的に不当に引き下げられる。
犯人は不正操作した激安相場価格でビットコインを大量購入。
この取引の影響額は875万ドル以上相当に及んだ。
相場は数分以内に戻された。
「市場のクールダウン」として取引が一時的に停止。
ビットコインの価格価値が100ドルから55.59ドルの最低基準まで下落した。
アメリカの雑誌「WIRED」で「顧客が出金に数週間から数ヶ月の遅延に見舞われている」ことが掲載される。
マウントゴックスによる全てのビットコイン払い戻しが停止した。
マウントゴックス社が全取引を中止
WEBサイトも削除される。
マウントゴックス社は、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請。
自身の口座のデータを改竄し残高を水増しした疑いで警視庁に私電磁的記録不正作出・同供用容疑により逮捕。
8月21日には、顧客からの預金を着服したとして業務上横領の容疑で再逮捕。
破産管財人より、マウントゴックス社の顧客ら約2万4700人が届け出た債権総額が約2兆6630億円になったと発表した。
マウントゴックス社の顧客資金を元社長マルク・カルプレス氏が個人的に支出したのは業務上横領にあたるなどとした裁判。
マルク・カルプレス氏の弁護側は、利用顧客が入金するお金はビットコイン購入権利の対価として捉え、
マウントゴックス社利用規約には「顧客の金銭の使途を限定し、同社が預り保管する」と読める記載は無いと反論。
それにより無罪を主張した。
マウントゴックス社からビットコインがハッキングによって流出した!
というMTGOX元社長マルク・カルプレス氏の発言からはじまり、
なんだかんだで元社長マルク・カルプレス氏がプログラムを不正操作して、
自身の私的なことに資金を使っていたという。
資金の使い道としては…
関連会社シェイド3Dで使用する立体OGソフト販売権購入等に約3億1500万円、
自宅用のベッドを購入するのに約600万円(こ、これは…)、
などだったそうです。
マルク・カルプレス元社長は、警視庁の調べに対して「後で返すつもりだった」と語ったとのこと。
マウントゴックス社のマルク・カルプレス元社長による、
とんだいっぱい食わせ物の事件だったかもしれない案件となっています。
(2017年7月現在、裁判継続中です)
マウントゴックス事件で見えたビットコインの課題
マウントゴックス事件は、黎明期のビットコイン市場に大きな打撃を与えました。
以下の課題を痛烈に残したわけです。
- ハッキングで流出してしまうセキュリティ問題
- ビットコイン取引所の管理の甘さ
マウントゴックス事件は内部犯行の可能性がすこぶる高いとされていますが、
外部からハッキングされたとしても通ってしまうセキュリティ問題があります。
マウントゴックス社は、オンライン上でビットコインを管理していたずさんさも問題になりました。
オフラインのウオレット(コールドストレージ)できちんと管理することが課題となりました。
マウントゴックス元社長マルク・カルプレス氏のような無茶な方がいると、
無茶苦茶な運用や横領行為も簡単にできてしまうずさんさが問題になりました。
ビットコイン・暗号通貨は、中央集権管理で無いものです。
なので逆に、ユーザーがわからない領域だと無茶し放題になる可能性があります。
そういった部分を管理する課題がでてきました。
暴落したビットコイン価格だが…
マウントゴックス事件によって、ビットコイン価格は暴落しました。
1ビットコインが12万円だったのが、1ビットコイン2万円あたりまで暴落。
ですが、
2017年7月現在ビットコインの価格はドーンと上昇して持ち直しています。
2017年7月13日現在、1ビットコイン価格は26万円以上となっています。
このビットコイン価格の復旧どころか上昇アップトレンドにより、
マウントゴックス事件のような大きなネガティブイベントがあっても、
ビットコインや仮想通貨(暗号通貨)自体の価値は変わらない、と証明されました。
まだまだ今後の世界的実需が見込めるジャンルであることがわかります。
犯人は社長?逮捕とその後の陳述及び裁判状況
それではマウントゴックス事件の犯人とされる元社長マルク・カルプレス氏ですが、
一部では「マルクは嵌められた」説もあったりもします。
元社長マルク・カルプレス氏が警察の取り調べに対し、
「ビットコイン大量消失の「真犯人」は別にいる」と主張している部分もあるそう。
マルク・カルプレス氏の某知人によると…
X氏が同社をカルプレス氏に譲り渡したとき、すでにビットコインの資産は帳簿上、足りなくなっていた。
ところが、X氏は自分が決めた運用ルールを守っていれば、いずれ不足分は取り戻せると説明し、カルプレス氏はそれを信じこんでしまいました。
たしかに取引手数料だけで表面上は月に数億円の売り上げがあったそうですからね。」
とのこと。
この話が本当であれば、マウントゴックス社の創業者であるジェド・マケーレブ(Jed McCaleb)氏がやった、ということに。
そんなこんなもありますが、
2017年7月11日にマルク・カルプレス被告の初公判が東京地方裁判所で開かれました。
業務上横領などの罪に問われたことによる裁判。
現状では資金の使い道を限定する規約は無かったとして、
「無罪」を主張されています。
また、
2014年の事件当時よりもビットコイン価格が5倍程度値上がりしている関係上、
マウントゴックス事件で損害を受けたユーザーへも、
全額返済できるのでは?とされています。
激やせした元マウントゴックス社長マルク・カルプレス氏
2017年7月11日東京地方裁判所での初公判に出廷されたマルク・カルプレス氏の激やせぶりが話題です。
以下は、2014年のマウントゴックス破綻時のマルク・カルプレス氏。
ぷっくりした印象のマルク・カルプレス氏です。
以下は、2017年7月11日東京地方裁判所で裁判を終えたマルク・カルプレス氏。
激やせイケメン化ですね。
[char no=”1″ char=”ビットコイン侍”]人は変われる!![/char]
マウントゴックス事件 その後…
2018年1月現在、マウントゴックス事件で仮想通貨を失ったユーザーには、特に補填等されていません。
儚い状況が、続いています…
今後も続報を記載していきたいと思います。
コメント
コインチェックも… やらかしてしまいましたね…
…( = =) トオイメ目