仕手(して)とは、基本的に株式投資ジャンルで使われてきた用語です。
株式投資においての仕手とは、
多額の資金を持った特定の投資集団が、特定の銘柄に対して
大量の買いや売りを一時的に入れたりして取引による値動きをつくり、
一般投資家等を市場に誘導して、株価の急騰・急落が起きやすくする行為をさします。
また、仕手行為が行われている株銘柄のことを「仕手株」と呼びます。
仮想通貨(暗号通貨)の値動きにおいても、
この「仕手」行為がしばしば行われているようです。
「仕手」は、投資・投機ジャンルで度々水面下で行われる行為です。
巨大な資金力のある投資家や投資特化の企業(投機筋)等が、
よりトレードでの利益を出す為に行う場合が多いです。
多くの場合は一般的な個人トレーダー(個人投資家)等の、
中小投資家が巻き込まれて混乱損失(損切り)にあう場合が多く、
仕手の仕掛け側(仕手筋)もあえてその様に意識して仕掛けてきます。
仕手(して)の手法
仕手の仕掛け方の手順としては、以下のようなパターンが多いです。
- 大きな理由なく価格が上昇(もしくは下降)する
- 価格の上昇(もしくは下降)を見て、中小投資家が買いに入る
- 価格が目標の高値(もしくは安値)に達したら、仕手筋は一気に売り抜け
仕手筋が大量の買い注文(もしくは売り)を出すことで、市場が上昇(下降)します。
仕手筋(仕掛け側)は、買い注文を出して上がりきったところで一気に売り抜ける算段です。
(もしくは下がりきったところで一気に買い戻す)
仕手筋の大量の買い注文による価格上昇を見て、多くの投資家が買いで市場に入ってきます。
それにより、更に価格は上昇していきます。
(売りの場合は、価格が下落していきます)
理由が薄い見せかけの上昇により、価格が仕手筋の目標値に達したら、
仕手筋は一気に買いポジションを売り抜けて利益を得ていきます。
これにより、仕手の仕掛けに乗って買い注文を入れた投資家の損切りも巻き込んで一気に下落していきます。
(売りでの安値到達の場合は、買い戻しでの上昇)
他の投資家達の買い追随も誘発していく動きが仕手の仕掛けと言われます。
その後、仕手筋の目論見通り上昇した相場から、一気に売り抜けて利益を出していきます。
価格上昇を見込んで買い追随した投資家は、
仕手筋が一気に売り抜けることで下落する相場に巻き込まれ、
損失(損切り)を出すことが多いとされています。
以下は、Poloniexでのビットコイン/イーサリアムのWボトムの例。
(画像クリックで拡大できます)
この値動き自体は、いわゆる仕手と言いにくい一般的なものにも見えますが、
下落して下抜けて欲しい売り手側の圧力よりも、
価格が上昇して利益を出したい買い手側の買い圧力の方が勝って価格上昇しています。
一般的に、市場状況での理由が乏しい状況からの、
いきなりの大量注文が仕手行為の可能性を感じさせます。
大量の買い大量の売り注文が交錯し、市場参加者が惑わされるのが仕手となります。
仮想通貨(暗号通貨)における仕手
仮想通貨(暗号通貨)でも既にデイトレードをしている投資家も多く、
資金力のある大口投資家は、できるだけ短期的な値動きでも利益を求めていきます。
(そりゃそうですが)
ただでさえ(FXの為替相場や株式市場と比べて)値動き幅が大きく
日々のボラティリティがある仮想通貨(暗号通貨)市場ですが、
更に大局の中での仕手筋の動きもあるとされています。
他業種から仮想通貨ジャンルに参入しているビッグプレイヤーの一部も、
意図的にユーザーに誘導情報を送り、仕手行為をしていると噂もされています。
ビットコイン及び仮想通貨(暗号通貨)ジャンルがまだまだデリケートな状況なので、
ちょっとした情報でも過敏に市場が反応することもあり、
投資目的での仮想通貨保有には注意が必要となっています。
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